V4用ビキニのウェイト調整(3)
前回の続きで、ビキニのリング部分の変形を抑える方法です。前回までの手順によって、ポージングによって発生するリングの歪みについては回避することができました。今回は体型の変化によって発生する歪みをRigidityを使うことで防ぐ方法について書きたいと思います。
Genesis系フィギュアのベース形状は凹凸が抑えられた滑らかな面によって構成されています。これは体型の細かいディテールをモーフによって作成して使うことを前提としているためです。そのためにはベース形状には細かい起伏が無いほうが扱いやすいということで、このような抽象的な形状になっています。
フィギュアに着せる服も、このベースフィギュアの体型にあわせて作られます。モーフを使って体型を変化させると、着用している服も同じ形状になるように自動的にモーフが作成されます。従って、Genesisベースのフィギュアであれば、服はすべて共通で利用できるというわけです。
しかし、自動生成モーフによって服が体型に追従して変形してしまうと、今回のビキニのリングのように、硬い素材であることがわかる部位であっても、他の部位と同じように変形してしまって違和感が出る場合があります。そこで、変形させたくない部分にRigidityグループを設定することで、「ここは硬い素材だよ」とDAZ Studioに教えてあげることによって、自動追従モーフの対象から外すことができるわけです。
では早速ビキニにRigidityグループを作成してみましょう。ポリゴングループエディタで、Rigidityに設定したい部分のポリゴンを選択します。今回はLasso(投げ縄)モードでリング周辺をぐるっと囲んで選択しました。
右クリックメニューから、Create Rigidity Group from Selectedを選びます。これで選択されているポリゴンからRigidityグループを作成するという意味です。
作成したいRigidityグループの名前を入力します。今回は「bikini_ring」としました。
これでRigidityグループが作成されました。きちんと作成されているかどうかをTools Settingsタブで確認してみましょう。
現在選択中のポリゴンをReferencesにも登録します。Referencesを右クリックし、Assign Selected Faces to Groupを選びます。
これでReferencesにも同じ形状のポリゴンが登録されました。
次に、Rigidity用のウェイトマップを作成します。SceneタブでV4ビキニのルートノードを選択します。
ウェイトマップブラシモードに切り替えて、Tools SettingsタブでRigidityマップを追加します。
追加されたRigidityマップを選択すると、ビキニ全体が青くなります。青くならないときはマップリストの何も無い部分を一度クリックして選択解除してから、再度Rigidityマップを選択しなおします。
Rigidityグループに登録したときに選択状態にしたポリゴンがそのまま残っていますので、ここにウェイト100%を設定してしまいます。右クリックメニューからFill Selected Facesを選びます。
これで選択部分が赤くなりました。赤い部分は硬い場所だと認識されますので、自動生成モーフの変形が適用されなくなります。
平滑化ブラシで境目のウェイトを滑らかにしていきます。赤い場所ほど硬くなり、青くなるにつれて徐々に柔らかくなります。
ポリゴングループエディタに戻り、Edit Rigidity Groupsを選択します。(体型も変えてみました。)
スケーリングの設定をNo Scaleに変更します。ポリゴンの拡大とは無関係に同じサイズが維持されるようになります。
ウェイマップブラシモードに切り替えて、右クリックメニューからClear Generated Morphsを選びます。これで自動生成されたモーフは全て消去され、Rigidityを考慮したモーフが再作成されます。体型をいろいろ変化させてみて、リング部分がモーフの影響を受けなくなっていることを確認しましょう。
以上でRigidityの設定は完了です。これでV4ビキニはポージングさせてもモーフを調整してもリング部分の形状が歪まなくなりました。
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