Victoria6のマテリアルを調整する
Victoria6の赤面症を治したついでに、Texture Shaded 2.0を利用したマテリアルの調整をしてみることにしました。もともとVictoria6の肌シェーダーはかなり優秀でして、そのままシーンに使ってもリアルな肌を得ることができます。しかしながら、使っているうちに気になる部分も出てくるものでして、今回はそういった部分を修正することを目標にしています。
なお、私の環境ではガンマ補正を2.2にしてレンダリングしています。テクスチャのガンマ値設定が必要になりますので、そちらの設定方法関しては過去記事をご覧ください。基本的に白黒のテクスチャとノーマルマップはガンマ1.0、カラーテクスチャはガンマ0.0に設定してあります。
Victoria6をロードし、ガンマ値設定を済ませたら、表示をTexture Shaded 2.0に切り替えます。
レンダリングしてみると、目が異様に明るく光っていて、少々怖いです。(笑) なので、まずはこの目を修正していくことにします。
同一のテクスチャが使われているサーフェイスを一度に選択するには、テンプレートを使うのが簡単です。テンプレートは1~7まで準備されていて、それぞれがV4時代のテクスチャ番号に対応しています。1なら顔、2は胴体、3は手足・・・という具合です。今回は目を選択しますので、テンプレート番号は5となります。
Displacementの最大値・最小値をそれぞれ0にします。V6のシェーダーはディスプレイスメントにバグがありますので、ここを0にすることでディスプレイスメントを無効にしてしまいます。
次に、EyeReflectionサーフェイスを選択します。目の反射用だと思いますが、Opacity Strengthに画像が貼り付けてあります。ところがUVを全く考慮していないただの風景なので、適用すると白内障のように曇りが出るだけになっています。(;´Д`)
なので、Opacity Strengthを0.0にして完全透明にしてしまいます。
次に、Irises(瞳/虹彩)とSclera(強膜/白目)を選択します。ここにはSSSを設定してあるようなのですが、Diffuse Strengthが100%のままですので、このままレンダリングするとSSSの発色が加算され、異様に明るい目になってしまいます。(V6の目が怖い原因はこれです)
ですので、ここはDiffuse Strengthを50%に設定しておきます。
最後にTear(涙)を選択します。ここにはDAZのデフォルトシェーダーが使われているのですが、Lighting ModelがPlasticとなっているため、液体なのに光沢がソフトになりすぎています。ここはGlossy(Plastic)に変更してシャープな光沢が出るようにします。
ここまで設定すると、プレビュー画面がこんなふうに変わっていると思います。Victoria6って、こんなにかわいい目をしていたんですね。目の質感は大事だということを改めて実感しました。(;´▽`A``
目の設定が終わりましたので、次は口の中を設定していきたいと思います。頭部を選択し、ParametersタブのPose ControlからMouse Open Wideを1にして口を開けてみます。なんと、口の中が驚きの白さです。(笑)
こんなふうに白くなる原因は、口の中に鏡面反射が設定されているせいです。おそらく唾液で濡れていることを想定しているのだと思いますが、口の中に鏡面反射など作ったところで意味はありませんし、逆に計算量が増えてレンダリングが遅くなるだけです。鏡面反射を無効にしてしまいましょう。
口の中のテクスチャはテンプレート番号4になっていますので、それを選択します。Reflection Strengthに数値が入っていると思いますので、これを0.0にして鏡面反射を無効にします。
鏡面反射を無効にしてもまだ少し白いです。これは光沢の設定に問題がある(Glossinessが小さすぎる)ためです。プレビューを見ながらSpecular Glossinessの数値を上げていくと、本来の光沢が姿を現します。私は85%ぐらいに設定しておきましたが、基本はお好みで大丈夫です。
歯に光沢がほとんど出ていませんので、これも修正します。Teeth(歯)を選択し、Specular Strengthを見てみると、かなり小さい値が設定されています。これでは光沢が出てきませんので、70%ぐらいに上げてみました。
ここまでの設定で、プレビュー表示はこのようになりました。異様に白かった口の中が、今度は正しい色合いで表示されていますね。
最後に肌の設定です。デフォルトでは全体的にGlossinessが35%前後に設定されているようですが、これだと光沢が広がりすぎてしまいますので、これを大きめに調整してみることにします。Skinを選択すると、肌の質感を設定するサーフェイスが一度に選択できます。設定する場所はSpecular GlossinessとSpecular Strengthです。光沢が2種類あるので計4箇所の調整になりますが、プレビューに反映されるのは最初のスペキュラだけです。Glossinessはだいたい60%~70%前後がよさそうに見えます。これもプレビューを見ながらお好みで設定してください。
Lips(唇)はSkinに含まれませんので、個別に調整する必要があります。テカテカの唇にしたいので、Specular Strengthは100%に設定しました。
以上で調整は一応完了とします。ここまでの調整で、プレビュー画面は見違えるほど綺麗になりました。肌が暗いですが、レンダリングするとSSSが加算されますので、これぐらいがちょうど良いです。ヽ(´ー`)ノ
このままライトなし(プレビューライトのみ)でレンダリングすると、こんな感じになります。目の質感や肌の光沢が狙い通りに出ています。
適当にライトを組んでレンダリングしてみました。実際にシーンで使う際にはライティングなどによって肌の色合いを微調整すると良いかも知れませんね。(´∀`*)
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コメント
Victoria6、私の環境では
Texture Shaded 2.0にしても
目にスペキュラとかまったく反映されませんでした。
Genesisに特化したシェーダーかと思ってましたよ。
うちの問題だったようですね……
投稿: 天川和香 | 2013年8月15日 (木) 07時43分
天川和香さん、コメントありがとうございます。
Texture Shaded 2.0の表現はグラフィックボードに依存するようです。うちの環境(nVidia GeForce GTX670)では特に問題ありませんでしたが、現行の4.6.0.81はATI Radeon系だと少し問題が残っているようです。これは4.6.0.82で修正されたようですので、次回公開版では直っているとおもいますよ。(´∀`*)
投稿: とうふ | 2013年8月15日 (木) 09時03分
G2FからLighting Modelが変わっていてとまどっていたのですが、大変参考になりました。ありがとうございます。
Genesisの時にLighting Modelをいじって肌がおかしくなった記憶があったので、怖くてここはいじる気になりませんでした(^^;
投稿: Cyawcat | 2013年8月15日 (木) 15時26分
Cyawcatさん、コメントありがとうございます。
Lighting ModelはDAZのデフォルトシェーダー固有の設定なのですが、最近はUberSurfaceやShaderMixerを使った肌が増えてきたので、だんだん見かけなくなりました。でもLighting Modelは使いやすくて便利なんですよ。(;´▽`A``
投稿: とうふ | 2013年8月15日 (木) 20時09分